1．備前焼の始まりは土づくりから

備前焼にとって一番と言ってもいいほど重要なものが土作りです。基本的には半年から数年ほど寝かせた田土（ひよせ）という粘土質の土と黒土を混ぜた陶土が使われますが、混合される比率は作家によって異なります。備前焼を作る上で土作りは命と言ってもいいほど大切な工程であるといえるでしょう。

2．器の形を決定づける成形

土作りが終わったら次は器の形を決める成形の作業に入ります。通販などで量産されているようなタイプはろくろを使用することがほとんどですが、中には細部までこだわって手捻りで行って作られるものもあるため、気になる方は購入時にそういった部分も調べてみましょう。ろくろなどを使って形を作った後は、少し乾燥させヘラなどを使って仕上げていきます。

3．炎の流れで仕上がりが変わる窯詰め

窯詰めは備前焼のデザインを決定付ける重要な工程のひとつです。成形したものを乾燥させて窯詰めすることになりますが、この時に重要なポイントは、ただ適当に配置して窯詰めするのではなく、作品ごとに配置や向きを計算することです。炎の流れを利用した焼き色の変化などがその作品の良し悪しにそのまま関わってきます。

4．焼けにも大きく関わる窯焚き

窯焚きは一週間から10日ほどかけて松の割り木を使用して行われる工程です。徐々に割り木の数を増やしていき、最終的には1250度くらいまで窯の温度があげられます。この時の温度調節によって焼けが決まります。

5．作品を窯から丁寧に取り出す窯出し

焼きあがったら最後に窯出しが行われます。備前焼は急速に冷やしてしまうと割れてしまったり作品に傷がついてしまったりすることにもなりかねないため、7日から10日ほどかけて窯の温度が下がってから慎重に窯出ししなければなりません。そして窯出しした作品についた灰などをサンドペーパーで磨り、汚れを水で洗い落とし、漏れ検査をし、備前焼の完成です。

備前焼は炎をうまく調節して作る作品ではありますが、作家自身も仕上がりがどんな焼けになるのか完璧に予想することのできない面白さを併せ持った焼き物のひとつです。人間ではコントロールしきれない、まさに炎が作り上げる作品こそが備前焼です。作家によって特徴も異なるので、お気に入りの作家をお探しになるのもおすすめです。

備前焼 陶吉では、様々な作家が作り上げた備前焼を通販でご提供しています。定番のデザインはもちろん、他ではあまり見かけない個性的なデザインの作品なども取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。